〜 03’クリスマスの夜 〜



ロ 「サラシャ どこにいる!?」



旅の途中 宿をとったサラシャ一行。

しかし 夜になりサラシャの姿が見当たらないことに気付き

ロクスはそこいらを探し歩いていた。



ロ 「まったく勝手にウロウロするなといつも言っているのに」



少し呆れながらも 心配するロクスにタトゥミが近寄る。



タ 「ロクス。 サラシャならあっちよ」



タトゥミが指差す方向を見ると 宿から少し離れた場所で

ひっそりと木の陰に姿を隠すサラシャとフジールがいた。

二人は 息をひそめ何かを見張っているようだった。



ロ 「あの二人は あんな所で何をしているんだ?」

タ 「待っているんですってよ」

ロ 「は? 何を?」

タ 「サンタさん。 クスッ」

ロ 「・・・・・・・(汗)」 



そうです。 今日は万国共通クリスマス。

それはラブ伝の世界も例外ではなく

サラシャとフジールは サンタさんを一目見ようと

良い子が寝る時間になっても 頑張って見張っていたのです。

二人の視線は 宿屋の煙突一点に集中。



サ 「いい? フジール。 絶対に見逃しちゃダメよ!」

フ 「おぅとも! 今年こそはサンタさんの面を拝んでやるぜ!」

サ 「うんうん。 そんで捕獲してトナカイに乗っけてもらおう」

フ 「そうだな。 なんだったらソリのレンタル申し込むか?」

サ 「あ〜、いいかもね♪ 空飛べたら 旅の移動も楽になるし」

フ 「つーかさ 俺サンタさんに言いたいことがあんだよ」

サ 「何々? 世界中の子供に無料プレゼントなんかして
   奥さんはお怒りになっていませんか? とか?」

フ 「ちっがーう!」

サ 「じゃ 何よぅ?」

フ 「毎年 なんで俺ン所には来てくれないのかって!」

サ 「そうなの? フジールってば 無茶なお願いしてたんじゃないの〜?
   私のところには毎年来てくれてるよ」

フ 「そ、そうかな? そんなに無茶なことは 言ってないはずなんだけどな・・・」



今 明かしますが フジールは城下町で一人暮らしです。

例え簡単なお願い事でも サンタさんが来るはずもないのです。



その様子を見ていたロクスとタトゥミ。



ロ 「そうか。 今日はクリスマスだったな」

タ 「サンタさんを信じているなんて可愛い所あるわね♪」

ロ 「てか 毎年来ないのに信じてるフジールはどうかと思うが・・・」

タ 「今年こそはって思っているんじゃなくって?(笑)」

ロ 「めげないところがアイツの良い所・・・か」

タ 「サラシャのところには毎年 来てくれていたのね」

ロ 「あぁ。 毎年・・・ 毎年・・・ それはもう無茶難題なことばかりで・・・(遠い目)」

タ 「プレゼントを用意するのも 護衛隊長の仕事の一環なのねぇ。ご苦労様」

ロ 「で 今年の願い事は何か聞いたか?」

タ 「えぇ。 旅の途中で餓死しないように仙豆が欲しいんですって」

ロ 「せ、仙豆!? (また世界観を越えたことを 泣)」

タ 「大丈夫 ロクス? 用意出来そう?」

ロ 「・・・あぁ。なんとかなるだろう」(なんのかよぅ!)

タ 「ふふっw さすがね。」

ロ 「それで・・・・・ フジールの願いコトは?」

タ 「あら意外ね。 フジールにも用意してあげるの?」

ロ 「まぁ それなりに頑張っている褒美さ」

タ 「フジールはサラシャに比べたら 極々普通よ。新しい服が欲しいんですって。
   ほら 誰かさんに引っ張られて伸びてるから。(笑)」

ロ 「ッ!! じゃあ どんなに引っ張っても 伸びない丈夫な衣服を用意してやるッ!!!」

タ 「(それでも やっぱり引っ張るつもりなんだ)」

ロ 「とりあえず・・・ タトゥミの魔法で二人を眠らせてくれるか?」

タ 「了解。 お安い御用よ♪」







まぁ そんなことがありまして次の日の朝 サラシャとフジールの枕元には

自分たちの希望したプレゼントが置かれていたという・・・。



仙豆は どこから? という謎はスルーしましょう。

ラブ伝の鉄則です。