これは 遠い 遠い昔の 勇気ある者達のぉ話 ――――――――
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その昔 闇を支配する者が この世界に君臨した。
その名は “トン・ソォーク”
世界中の 美しきものを 汚れきものへと変え
この世の 生き物全てを 闇に飲み込もうとした。
人々の心はすさみ 緑は枯れ 海は渇き
世界が終わりを 告げようとした時
トン・ソォークに立ち向かう者達が あらわれた。
彼らを奮い立たせたのは それぞれが手にしていた
赤・青・緑・黄・紫・白 の輝勇石。
輝勇石は彼らに 闘う力 勇気 揺るぎない魂を与えた。
そして彼らを指揮する者が持っていた虹色の剣は
トン・ソォークに多大なるダメージを与え
幾日かの死闘の末 彼らはトン・ソォークを封印し
この世に光を取り戻した。
そして 7人は 虹色の剣と輝勇石を携え
それぞれ別の地に 散った。
最後にトン・ソォークが言った言葉。
「いつの日か 復活を遂げて 必ずこの世を闇に染めてやる・・・」
そのような日が来ないよう・・・
平和で穏やかな日々が いつまでも続く事を 心から願う。
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「だってさ、フジール」
「へぇ、そんなことが書いてあるんだ。よく読めるな。これって古代文字だろ?」
「まぁね。これでも一国の姫だもの。それなりの教養と知識はつけてるつもりよ。
今は“もっさー語”を覚えているんだけどこれまた難しくってさ。」
「も、もっさー語!? 聞いたことないけどな・・・。お姫さんつーのもいろいろと大変だな。」
ここは ラブチュ王国のお城の中にある極秘資料部屋。
話している二人 自分を姫だと言ったのはこの国の王女であるサラシャ姫。
フジールと呼ばれたのは 城下町に住むただの若者。
なぜそんな二人が一緒にこの場にいるのか。
それは 二人は恋仲であるが身分が違うためこうして忍んで会わなくてはならないため。
そして この世界を救う方法を調べるためである。
いつか復活を遂げると言い残した トン・ソォーク。
まさに今が そのいつか・・・ なのだ。
トン・ソォークが復活し 世界は闇に包まれ
人々は何も出来ず ただ闇に脅えて暮らす日々。
このままでは 全て闇に飲み込まれてしまう。
何かくい止める方法はないものかと この資料部屋へと踏み入ったのだった。
「ねぇ、ここに書いてることによればさ この輝勇石ってのがキーアイテムよね。」
「それに虹色の剣ってのもな。でも、そんなもの本当にあるのか?」
「探す前から何言ってるのよ。」
「もしかしてサラシャ・・・ 探しに行く気?」
「当たり前じゃない。トン・ソォークを倒す可能性があるなら私はそれに賭けるわ。
きっとこの世界のどこかにあるはずよ、輝勇石も虹色の剣も。」
「なら俺も付き合う。一緒に探しにいこう。」
「うん! 必ず見つけ出して世界を救うのよ。」
二人がそう決意したその時
二人のいる部屋に 足音が近づいて来た。
「しっ。誰か来る・・・」
みつかったらこりゃ大変。
二人は部屋の隅で 息をひそめ 足音が通り過ぎるのを待っていた。
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