〜 輝きの証 〜



新たにタトゥミを仲間として迎え 輝勇石を探す旅路を歩く4人。

次なる輝勇石の情報を求めて向かう先は たくさんの人が行き交いする港町。

先頭を歩くロスクにフジールが続き 少し遅れてサラシャとタトゥミが続く。

サラシャとタトゥミは話に花を咲かせ お喋りに夢中だった。



「クスクス♪ それで 国王様のお髭を?」

「そうなのよぅ。ぉ父様は愉快痛快って笑ってたけど
 ロクスがすんごい剣幕で怒ってさ。 シギュマ先生も真っ青な顔しちゃって。」

「普通の人には魔法は無理よ。 魔法族の血が流れていないとね。」

「やっぱり? 修行すればなんとかなるかと思ったんだけどなぁ。」

「ん〜、そうね。 冥竜の血を飲めば 魔法族でなくても魔法を扱えるようになるらしいけど。」

「冥竜? 昔 魔法族が移動するのに使っていた龍のこと?」

「あら、よく知ってるわね。 今では生存してるかどうかもわからないけど。」

「そうかぁ・・・ 魔法が使えたらタトゥミみたいに強くなれると思ったのにな。」



ガックリと肩を落とすサラシャに タトゥミは優しく笑いかける。



「魔法が使えなくてもサラシャは十分強いわよ。このアタクシを負かしたんですもの。」

「そうよね♪ (* ̄∇ ̄*)ひゃっひゃっひゃ♪」



・・・・いや、フォローなんだけど。(汗)



「そだ タトゥミ。 もう一度 輝勇石見せて!」

「え? いいけど。」



タトゥミが輝勇石を首から外しサラシャに手渡した。

すると青く輝く石は タトゥミの手を離れると同時にその輝きを失せた。

不思議に思い サラシャは光にかざして輝勇石を覗き込む。



「あれ? 光らなくなった。」

「そりゃそうよ。輝勇石は選ばれた者でないと光を放たないもの。
 それに光を放つってことは 虹色の剣を持つ勇者がこの世に生まれた証。」

「えー! そうだったんだ!!」

「知らなかったの?」

「うん。 輝勇石は6色あってそれぞれに散ったってことくらいしか。」

「んまっ! じゃあ教えてあげるわ。この青の輝勇石は守護の石。
 輝勇石全てに意味があり その力を以って虹色の剣の勇者を支えるのよ。」

「これは新事実発覚! すっごいね タトゥミ! 物知りさんだぁ♪」



楽しそうにタトゥミと話すサラシャを 後ろ目に見てフジールが言う。



「なぁなぁ、ロクス。 サラシャの奴 楽しそうだな。」

「そのようだな。 お姉さんが出来たみたいで嬉しいんだろう。」

「そっか 一人っ子だもんなサラシャ。 結構寂しがりぃだし。
 だからよく城下町にも遊びに来てたんだもんな〜。」

「その度に 城下町を捜し歩くもの大変だったんだぞ。」

「サラシャとロクスの追いかけっこは 街の名物になりつつあったもんな。」

「普通に買出しに出かけても 今日は姫様のお姿は見てませんけど。 と言われたことも。」

「ププッ そりゃ傑作♪」

「笑い事じゃないんだぞ! だからお世話係とか言われるんだ・・・ブツブツ

「てかさ ずっと不思議に思ってたんだけど なんでロクスはサラシャって呼ぶのさ?
 街の人はもちろん城の人だって サラシャ姫って称号で呼ぶだろ?」

「あぁ、それは・・・」



ロクスが答えようとした その時だった。



「きゃー! 誰か助けてー!」



その声に気付き サラシャとタトゥミもロクス達の元へ駆け寄ってきた。



「な、なによぅ? さっきの声。」

「誰か助けを呼んでいたようだけど。」

「遠くない。 探すぞ!」

「探すったってどうやって!?」

「こっちよ! 野生の勘!!」



サラシャがそう言うとともに 指差す方向へ走り出すロクス。

それに続きサラシャも走り出す。



「二人とも 早く!」

「ほら 行くわよ。」

「えっ!? お、おぅ!!」



そして タトゥミとフジールもその後に続いた。



「てか、王国育ちなのに野生の勘って・・・」

「あらフジール。 そんな細かい事気にしちゃダメよ。ノリよノリ♪」

「 (こ、このお姉さんも物語慣れしていらっしゃる・・・)」



早く物語に慣れないと いつレギュラー落ちになるかわかんねぇぞ。 と

少し焦るフジールであった。









   


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