「あ! そうだっ!」
何かを思い出したように フジールは両手をポンとうった。
そして大事なモノポケットからゴソゴソと何かを取り出した。
サ 「なに? どうしたのフジール?」
フ 「なぁ これ役に立たないかな?」
フジールが二人の前に差し出したものは 海賊と闘った時に
ちゃっかり手に入れた不発弾。
いや そんな物騒なもん持ってるのもどうかと思うんだけどね。
もったいないお化けが出ると困るしと思って持ち帰ったらしい。
ヒ 「不発弾! それ花火として使えるかも!」
サ 「花火が上がればきっとみんなが注目するわ。」
ヒ 「でも 肝心の火がない。」
サ 「それなら大丈夫よ。任せて。」
サラシャはベランダから身を乗り出して 指笛を吹いた。
ピ――――ッ!!
ロ 「タトゥミ 聞こえたか? サラシャが呼んでいる。」
タ 「えっ? 今のはサラシャが!?」
ロクスが見上げた先のベランダには 両手を添えて何かを叫んでいるサラシャの姿。
そして その隣で バーニング!!と フジールが空高く不発弾を投げた。
ロ 「あれは不発弾!? タトゥミ!!」
タ 「了解よ!」
いや 争いの中で指笛が聞こえるのもどうかと思うんだけどね。
執筆者本人がどうしても指笛を使いたかったらすぃ。
まぁ この際 細かいことはええじゃないか。よぃよぃよぃ〜♪(何
サラシャのしぐさにその意図を理解して タトゥミが不発弾に向けてフレイムを放つと
その不発弾は上空で見事なまでの花火となり
その光景にそこにいた者達皆が 一瞬静まり返る。
フ 「おぉ! 意外に綺麗な花火になったな。」
ヒ 「本当だ。た〜まや〜。」
サ 「って こっちが見とれてどうすんのよ!!」
サラシャにツッコまれたら 世話ぁ〜ないな。
ちょっと似た者同士かも・・・と匂わせる二人。
いや 今回ヒヨは王子だ。 ヘタレキャラじゃないはずだ。
さぁ 挽回してもらおう。
サ 「ヒヨ。今がチャンスよ!大きく息を吸い込んで。」
ヒ 「わかった! すぅ――――――。」
サ 「皆のもの 注目!!」
静まり返った中庭に サラシャのでっけぇ声が響き渡り
その声に釣られて 皆が一斉に城のベランダへと視線を向ける。
サ 「さっ ヒヨ。」
ヒ 「はぁ―――――。」
フ 「って 深呼吸かよ!! ほら出番だって!」
フジールにまで ツッコまれた・・・
ドンマイです。 ヒヨ王子。
ヒ 「みんな 聞いてくれ。」
久しぶりに公衆の面前に姿を現したヒヨ王子に民衆達はどよめき立つ。
しかし ヒヨは構わずそのまま話し続けた。
ヒ 「みんなも知ってる通り この国にはもう資源はない。
鉱山も死んでしまった・・・。
僕達の生活に欠いてはならない機械を失い 皆が苛立つのもよくわかる。
何も出来なかった僕を 許してくれとは言わない。
だけど 僕はこの国が好きだ。 この国を守りたい。 それだけはわかってほしい。
この国が機械王国と言われるまでに発展したのは 誰でもない皆のおかげだ。
皆の日々の努力 協力があってこそだと思ってる。
だから 人同士で争うことだけは・・・ やめてくれ。」
ヒヨ王子の一言一言が 民衆 兵士の心に響く。
サ 「もうすぐ ここへ魔物の群れが攻めてくるわ。
人同士の争いなんて無意味なことをしている場合じゃないのよ!
今 自分に出来ることは何なのか やるべきことは何なのか
みんな わかってるはずでしょう!」
民衆 「だけど・・・( ・_・) 」
民衆 「資源がないんじゃ・・・(・_・ )」
ヒ 「資源なら レヴが危険を犯してまでも調達してきてくれた!」
レ 「ほら ここに!」
レヴがタイミングを見計らったように 民衆の前へ資源を運びこんだ。
ヒ 「今こそ決断の時だ!
武器を取って闘うか、恐れをなして逃げ惑うか・・・」
民衆 「闘うに決まってんだろ!ゴルァ! (゚Д゚)」
ヒヨ王子の出した選択肢に 民衆達の意気が上がった。
それを見たヒヨ王子は 力強く頷き 皆に指示を与える。
ヒ 「負傷している者 女子供は城の中へ!
兵士達は戦闘態勢をとり それぞれの持ち場へ!
男達は武器を手に取り 機械を以って魔物を迎え撃て!
チキン王国 動力全開!!」
( ・_・)ノ おぉ―! ヽ(・_・ )
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