一夜明けて 決意新たに忍者の里へ向かう一行。
フ 「だぁ〜! まだ着かないのかよ 忍者の里に。」
ヒ 「そうイライラするなよ フジール。」
フ 「だってさ〜 野宿ばっかで そろそろちゃんとした布団で寝たいじゃん。」
ロ 「贅沢を言うな。」
タ 「でも まぁフジールの言うことも一理あるわね。
こう野営ばかりだと 疲れも十分に取れないわ。」
フ 「だろだろ? まったく 元気なのはもっさーだけだぜ。青々してやがる。」
ヒ 「この艶々した青さ加減がいいんじゃないか。 なぁ もっさー?」
モ 「もっさー♪」
すっかり親心がついているヒヨが 肩に乗っているもっさーを撫でながら笑いかけると
もっさーは嬉しそうに答えた。 てか、鳴いた? 吠えた? ま、どれでもいいや。
リ 「ヒヨ ちょっと地図を見せてくれ。」
サ 「どしたの リュール?」
リュールはヒヨから地図を受け取ると
現在の場所から忍者の里へのルートを指でなぞりながら何かを確認した。
リ 「ふむ なるほど。 ここからだとそう遠くはないし 多少時間のロスはあるかも知れないが
ルートを大きく外れることもない。」
サ 「何のこと言ってんのよぅ?」
リ 「街だ。」
フ 「街!? 近くに街があんのか?」
ヒ 「でも地図には載っていなかったと思うけど?」
リ 「地図に載るような街じゃないってことさ。」
タ 「何よそれ。 一体どんな街だと言うの?」
リ 「ま、簡単に言えば賞金稼ぎの街だな。 俺たち賞金稼ぎの仲介人がここにいた為
いつしかここを拠点とする賞金稼ぎが増え 自然と街の形になっていった。」
ロ 「賞金稼ぎの溜まり場ってわけか。 危害はなさそうだが・・・。 どうするサラシャ?」
サ 「う〜ん そうねぇ。」
リ 「溜まり場といっても 武器防具はもちろんのこと 宿屋も飯屋もある。
あとでかい酒場が・・・」
タ・ロ 「行こう!」
ロクスとタトゥミの息がぴったり合ったところで 賞金稼ぎの街へ行くことが決定した。
リュールの道案内で街に着くと さすが賞金稼ぎの街なだけあって
至るところに手配書が貼られており いかつい輩がわんさかといた。
フ 「な、なんか 物騒じゃねぇか?」
リ 「見た目はそうかも知れないが 俺を筆頭にいい奴ばかりだ。そう怖がることはない。」
ヒ 「筆頭にって・・・。 人のお金を根こそぎ奪っておいて。
てか リュール。あの時のお金返してくれよ!」
リ 「奪うとは心外だな。 あれは立派なビジネスだぞ。」
ヒ 「ビジネスったって 何も全部持っていくことないのに・・・。」
リ 「まぁ そう気を落とすなよ。 ほらよ つりだ。とっとけ。」
がっくり肩を落とすヒヨに リュールはチャリンとお金を手渡した。
ヒ 「ありがと・・・って、たったの5ゼニーじゃないか!」
サ 「まぁまぁ ヒヨ。 お金ならロクスから貰えばいいし。」
ロ 「俺かよっ! まったく 何でも俺をアテにするな。」
ため息をつきながらも トマト魔軍団の一件が尾を引き
ロクスはそれなりの金額をヒヨに渡した。
街の中心まで来ると まずは宿の確保をした。
リュールの顔利きのおかげで 一番広い部屋を割安で取ることが出来た。
フ 「おぉー! ふかふかのベッドだ♪」
久しぶりのベッドに上機嫌で ぽよ〜んぽよ〜んと飛び跳ねるフジール。(ぉこちゃまだな)
そして部屋の安全を確かめるロクス。
リ 「そんなに警戒しなくでも大丈夫だぜ。 仮に魔物が街に入って来たとしても
強者が集まってる街だ。 何も心配はない。
つーわけで 今日は安心してゆっくりと休め。 俺は今から出かけてくる。」
サ 「出かけるって何処へ?」
リ 「まぁ いろいろだ。」
サ 「私も出かけようかな。 この街は安全なんだしいいでしょ ロクス?」
ロ 「いくら安全といってもな。 一人で出かけるのは・・・」
サ 「一緒について来てくれたらいいじゃない。」
ロ 「い、いや。俺はその いろいろとだな・・・。」
サ 「じゃあ タトゥミについて来てもらうわ。」
タ 「えっ!? あ、あの アタクシもちょっと いろいろと・・・」
サ 「それじゃ ヒヨと一緒に。」
ヒ 「ごめん。 僕もいろいろ作っておきたいものがあるから。」
サ 「何よぅ みんなして! 私だって出かけたいのに。」
フ 「そうむくれるなよサラシャ。 俺が一緒に行ってやるっての。」
ロ 「それはそれで心配だが。」
ヒ 「ようはサラシャだってことがばれなきゃいい訳だろ?
確かレヴが持たせてくれた荷物の中に・・・(ガサゴソ) あったあった、変装グッズ!」
サ 「変装グッズ!? わぁ〜楽しそう! ルパンしゃんしぇい≠ンたいじゃないの〜♪」
ヒヨから変装グッズを借りてワクワクしながら着替えに行ったサラシャだったが
変装グッズを身につけみんなの前に姿を現すと えらく不貞腐れていた。
フ 「サ、サラシャ・・・。 (笑っちゃいけねぇな いけねぇよ 汗)」
ロ 「なかなか よく似合っ・・・ (てる と言うのは褒め言葉にはならないか 汗)」
タ 「あ、あら。さすがサラシャ。何でも着こなせるのね。(と言えば妥当かしら 汗)」
リ 「なんだそりゃ!? 傑作だな!」←一人だけ素直
サ 「腹巻にステテコ。瓶底メガネにちょび髭とヅラ・・・。何よぅ これー!
カトチャ≠ェ出来上がったじゃないのよーぅ!」
ヒ 「あー、そっちのほうだったか。」
全 (いや そっちって! 他にどっちがあるんだよ!)
サ 「どうせならもっとコスプレチックに 青学ジャージとかなかったの?」
全 (てか 趣味に走りすぎッ!)
ロ 「まぁ その格好なら誰もサラシャだとは気付くまい。
出かけてもいいが あまり遅くならないようにな。」
サ 「はぁ・・・。 しょうがないか。 んじゃ 行こうフジール。」
フ 「いや ちょっと待ってくれ。持病のついて行っちゃいけない病が〜!」
サ 「なによそれ! もういいわ! もっさーと行くから。」
モ 「も!? もさー!? もさもさもさ!!」
もっさーは身の危険を感じたかのように ヒヨの後ろへ身を隠した。
ヒ 「もっさー・・・。 嫌がってるみたいだけど。」
サ 「そんな 隠れなくたって。 取って喰ったりしないのに・・・。」
フ 「てかマジでその格好で行くわけ?(汗)」
サ 「だよね。 よく考えたら この格好じゃ私も恥ずかしいや。
気をつけるからいつもの格好でいいでしょ?」
ロ 「それは ダメだ。」
サ 「カトチャ≠ネ私の気持ちも考えてみてよ? ロクスならこの格好で外に出れる?」
ロ 「屁理屈を言っても無駄だ。」
リ 「そういや 最近美味しいアイス屋が出来たって話を耳にしたな。」
サ 「なんですって!? それを早く言って頂戴!」
サラシャは アイス屋と聞くとカトチャ≠フままシュババーと部屋を飛び出していった。
フ 「サラシャの奴 マジであの格好のまま行ったぞ。」
ヒ 「恥ずかしいって言ってたのに。」
タ 「アイスと聞いちゃ 無理もないでしょ。」
ロ 「仕方ない。 フジール 付いてけ。
だが変な気を起こしたらただでは済まさないからな。」
フ 「結局 俺かよ・・・。 (つか カトチャ≠カゃ変な気も起きないっての)」
タ 「あのロクスがフジールに任せるなんて。(ぼそぼそ)」
リ 「あぁ、よほど大事な用事があるみたいだな。(ぼそぼそ)」
ロ 「そう言うお前たちの用事は何なんだ?」
タ 「あら 聞こえてた? アタクシもそれなりに大事な用事が。」
リ 「右に同じ。」
ヒ 「みんな大変だな。 まぁ、部屋には僕が残ってるから 安心して行っておいでよ。」
そして それぞれ思う所へと 出かけていった。
たまには こんな夜があってもいいさ。
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