〜 魔女の洞窟 〜



「な、なんか とてつもなく怪しい雰囲気なんだけど・・・」



北の洞窟にたどり着き 入り口で踏みとどまる3人。

洞窟の周りはうっそうとしており ツタがこれでもかってくらい伸びている。

奥は暗くて何も見えず 間違ってもホーホケキョと聞こえそうな雰囲気ではない。

魔女というよりも 死神がいそうな・・・ そんな印象を受ける洞窟だ。



「行くんだよな?(汗)」

「当然だ。」



逃げ腰になるフジールをよそにロクスは持っていたランプに火を灯しサクサク洞窟へ入っていった。

それに続いて 足取り軽くサラシャも入っていく。

置いていかれそうになったフジールは急いで二人の後を追った。





洞窟の中は 一本道で迷うことはなかったが ジメジメしてて足元が悪かった。

ランプの明かりだけを頼りに前に進む。



「何処まで続くんだよ〜。かなり歩いたぞ。」

「真っ暗で何もないし不安だよねぇ。なんか、パッとしないし。
 そだ、歌でも歌う!? 『でてこいとびきりZENKAIパワー』とか。」



(マイナーだな。 どうせなら明るくOP曲歌おうぜ!)



「♪駆けてくるよ アップル色モンスター
  飛んでくるよ ナッツの香りエイリアン
  出会って ドッキンドッキン
  ピカピカ銀河は ポップコーンシャワー♪」



(歌いだしたぞ、このぉ姫さん・・・)



やれやれと仕方無しにその歌に耳を傾ける ロクスとフジール。

でも あまりの下らなさに少しだけ気分が軽くなったような気がした。

その時!!





バサバサバサッ





「静かに!」

「何よぅロクス、最後まで歌わせてよ。」

「何か物音がする。」



耳を澄ましてみると 洞窟の奥からバサバサと何かがこっちに向かってくる音がした。



「な、なぁ。なんか、ヤバイんじゃないか?」



サラシャの背中にしがみ付きフジールがそう言った矢先 その物音は3人を目掛けて飛んできた。



「うきゃー! こうもりじゃんよぅ! 吸血だったらどうしよぅ!
 私はいたって普通のA型よ! めづらしくもなんともないから吸わないでぇ〜!!」

「バットマン 助けてーっ!」



訳わからないことを叫ぶサラシャとフジールを後ろにし ロクスは一人剣を抜き

シュバババとこうもりを斬り落とした。



「まったく・・・ こうもりごときでうろたえるな。」

「そうよ!フジール、今 私を盾にしたでしょ!?」

「き、気のせいだっての。(汗) ・・・てか、なんかいい匂いがする。」

「あ 本当だぁ♪ おいしそうな香り〜。ナッツかな?」

「ナッツ・・・ まさかとは思うが・・・」



ロクスの予感的中。

ナッツの香りを振りまき エイリアンが押し寄せてきた。



「下がっていろ!」



ロクスは剣をかざし エイリアンをも斬り倒してゆく。

しかし 次から次へとエイリアンは現れ ナッツの香りが充満するばかりだ。



「ちっ。きりがないな。強行突破だ、走るぞ!」

「なんでエイリアンなんているのよぅ!ドッキンドッキンどころの騒ぎじゃないわ〜!」

「サラシャが変な歌 歌うからだろぉ〜!だからOP曲のほうが良かったんだ〜!(逃泣)」



ここぞとばかりに シュタタタタタ―――!!







「なんとか振り切ったか?」

「もう大丈夫みたい。」

「マジあせったぁ。」



エイリアンが追ってこないことを確認してホッと胸を撫で下ろす。

かなり奥まで進んだと思われ 前方をみるとうっすらと明かりが見えた。



「明かりだっ!」

「魔女さんがいるのかも。」

「よし 行って見よう。」



明かりの漏れる場所まで行くと 『魔女部屋 本館』と書かれたドアがあった。

明かりはドアの小窓から漏れていたものだったらすぃ。



「魔女部屋だって!ここにいるんだよ、魔女さん。」

「サラシャ! 不用意にっ・・」



ロクスが止めようと思うより早く、サラシャがドアに飛びつきノックをする。



「すいませ〜ん。魔女さんいますか?」



「はぃ、どうぞ」



中から魔女さんと思われる人が返事をした。



「ご丁寧に返事したぞっ!? 大丈夫かよ? 捕って喰われたりするんじゃ・・・
 鍋に入れらて 骨まで溶かされたりしたらどうすんだよ。罠だ、罠!!」(考えすぎです)

「なんで そんなにマイナス思考なのよ、フジールは。
 大丈夫だって♪ ほら登山でもすれ違う人には挨拶するでしょ?それと一緒よ。」

「 (どう一緒なんだか・・・?)
 でも、用心に越したことはない。というわけで、サラシャ後ろに下がれ。」



ロクスは むぅと口をとがらせるサラシャを背に隠し 静かにそのドアを開けた。









    


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